1.
美しが丘小学校下の「百段階段」とそれに続く遊歩道は、この地域のいちばん標高の低いところ (標高49㍍) から一番高いところ(標高83㍍)を包含し、丘の町である美しが丘を最短距離で体感できる場所です。
これを地域のランドマークとし、階段や遊歩道の整備・修景活動を通じて、持続可能な郊外住宅地のあり方を提示していきたいと考えています。この整備は区域内の他の階段や遊歩道の今後の整備にも波及していくきっかけともなります。
2.
平成30年、美しが丘小学校は創立50周年を迎えました。
記念の年に通学路である百段階段が自分たちも関わって修景されたことはきっと子どもたちの記憶に永く残るはず。
3.
アセス委員会第2次遊歩道WGは地域内外から新たなメンバーがそれぞれのスキルを持ち寄って参加し、住民と協働します。美しが丘のまちづくりの新しいステージです
4.
AOBA+ARTは2008年から美しが丘の住宅街で開催してきたアートイベント。2016年は「プラたま 遊歩道アイデアウォーク」を開催。美しが丘の特徴的な地域資産である遊歩道の可能性を探るというテーマに沿って建築家やアーティストが制作し、街の中に点在させた作品を巡り歩きながら「こんな遊歩道なら歩きたくなる!」というアイデアを参加者といっしょに考えるツアーを行ないました。作品に刺激を受けた小学生の卒業制作階段アートに発展しました。
5.
「街のはなし」はAOBA+ARTから始まったプロジェクトのひとつ。毎年、幼稚園児から80代までの方へのインタビューには中学生も同行します。「街の中の好きな場所はどこですか?」という質問を起点に、そこにまつわる記憶をたぐっていく中で街の物語がうかびあがります。冊子にその場所の緯度経度の座標、風景写真とともにお話を掲載します。街の記憶を集め、地域住民の言葉で未来に残す新しい「町史」作りに挑戦する取り組みです。緯度・経度に加え標高を測ることで、丘の街・美しが丘を体感できるのではないか、と考えました。
6.
美しが丘地区が青葉区のモデル地区に選ばれ2015年7月から美しが丘連合自治会と青葉区役所で「健康づくり歩行者ネットワーク」の検討会議が始まり8回にわたる会議が開かれました。中部自治会アセス委員会も会議のメンバーとして参加しました。歩くコースの検討段階で「バス通りから美しが丘小学校へ登っていく階段は子どもたちに100段階段と呼ばれています。」というお話をしたところ、次の会議では「登ってみたら98段しかなかった。」「私が数えたところでは102段だった。」と検討会メンバーから報告が相次ぎ、100段階段というネーミングの話題性に気がついたわけです。
7.
数回にわたって地域住民・小中学生へのアンケートを実施しました。
交通や防犯面での安全な子育て環境
世代を超えた人と人とのふれあい
たくさんの思い出のある素敵なふるさと
子どもといっしょにまちづくり
活気ある遊歩道
夜も明るい100段階段
を望む意見がたくさん集まりました。
8.
2016年7月、美しが丘中部自治会アセス委員会内に遊歩道WGを立ち上げました。これまで自治会員だけで構成されていたアセス委員会は委員の高齢化もあり、この活動については外部からもまちづくりに協力してくれる若い力に参加していただくことになりました。これまでの街づくりのスピリットを次世代に繋いでいく方策のひとつです。いよいよヨコハマ市民まち普請にエントリー。
9.
まずは現状把握。WGメンバーで標高を測りながら歩くフィールドワークを実施。百段階段の上からは「田園都市」という名称を体現する眺望が。晴れた日には富士山の見える場所もあります。
10.
アンケートにも多かった意見。太鼓橋の下は草ぼうぼうで夜は暗くておとなの男性でも怖い…。 階段の途中の防犯灯は下から見上げると目つぶしになり足元が暗くて転んでしまいそう。